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部会長からのメッセージ

 部会長 大和田 智彦 教授


部会長挨拶: 化学へのいざない

赤井周司先生の後任として2023年4月より化学系薬学部会の部会長を務めさせていただいています大和田と申します。

薬の主成分や、ワクチンに含まれるタンパク質やmRNAをはじめ、分子量の大きさは様々であるものの、医薬品のほとんどが有機化合物であることを考えると、薬学研究において、有機化合物を創造し研究する学問である有機化学の重要性は議論の余地がありません。日本における有機化学研究は薬学部において長井長義先生によって開始され、以来1世紀を超える長い歴史と素晴らしい実績に富む栄光ある分野であり、ある意味で成熟した学問と言えなくもありません。しかし、毎日、世界で初めての新しい構造を持った有機化合物が合成され、新たな性質や機能が見いだされ、新たな反応機構をもつ新しい化学反応が見いだされている事実を考えると、有機化学は薬学研究に重要なイノベーションをもたらす駆動力となっています。また現在、有機化学の研究対象は生命現象そのものを理解し利用し制御する文字通りのライフサイエンス研究や創薬研究に拡張し続けています。化学系薬学部会では、2つの主催学会を中心として有機化学の醍醐味を次世代に継承し発展させることを重要な使命とし活動しています。日本薬学会の他部会との連携や関連する学会との連携によって学問の広がりを、アジアを中心に海外の大学、地域との連携を深め国際感覚の醸成に努めて行く所存です。また化学の持つ大きな波及力や創造力を、もっと若い中高生に伝える活動も視野に入れて活動する必要があると思っています。本部会の活動へのご理解とともに当事者意識をもって是非部会行事に参加して一緒に近未来の礎を再構築していくことにお力をお貸しください。

大和田智彦
化学系薬学部会長
東京大学大学院薬学系研究科教授